誰の家にもある使わなくなった傘。かつて持ち主にとって無くてはならなかった筈なのに、忘れられ、玄関の隅にひっそりとたたずんでいる。
私はその傘たちを拾いだし、ばらばらにほどいた布を継ぎ合わせ、命を吹き込んだ。
色や大きさの違うパーツを、それぞれの傘の骨をたわめて縫い止める。
その様子はまさに、家族を繋ぎ止め、一つにまとめているかのようだ。その傘を開くと、各家庭の過去が蘇り、雰囲気がうかがえる。
それぞれの家族にその傘をさしてもらい、記念撮影をした。
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