
男性の人生とは。
社会に属す男性が仕事で着るスーツに欠かせないネクタイをつなぎ合わせ、ポールを作った。立ち上がった人生は、華のようにも見える。
そこに子どもの頃まわりから投げかけられた言葉と、大人になってから意識してきた言葉をちりばめた。
《His life》または《立》について
かねてより私は男性社会の中で強者である男性の、ヒエラルーキーの中でもupperに属する彼らの世界共通アイテムであるネクタイに深い関心があった。
これまでもいくつか作品化しているが、今回はよりストレートにその形状自体を生かし、男性社会その物を可視化するような作品を作ろうと目論んだ。
ネクタイの集合体を作り立体にすると、男性社会の問題を際立たせ、浮かび上がらせることができるのではないかと考えたのだ。
《立》においては1人の男性の人生、しかも最盛期の社会で戦っていた時代を表そうとした。
この作品に男性へのオマージュと共に男性社会への批判や揶揄も込めた。
男性が男性としてどのように形成されるのか、幼い頃から周囲から投げかける言葉や期待される言葉、大人になってからの座右の銘、モットーなどをちりばめ、個人の男性自身がうける抑圧や社会からの影響を表し考察を試みた。
《His life》の方は、男性1人の人生ではなく、大学という場に合わせ、若い男性を取り巻く社会を考察するために制作した。


